CHAPTER 4
FMPSの端末は、スマートフォンを街路灯に載せたようなものです。特別な新技術は必要なく、既存の部品と標準的な技術の組み合わせで構成します。

図:FMPS+VRAIOの構成。映像は各街路灯に暗号化して保存され、記録者を経た開示手続きによってのみ取り出される。
街路灯にカメラを組み込み、映像を灯具内に暗号化して保存する方式は、すでに製品化されています。2009年に群馬大学、NPO法人e自警ネットワーク研究会、株式会社トステック、株式会社ロッキーが共同で開発した「e自警灯」です(2009年のプレスリリース(PDF))。現在はトステックが第二世代を販売しています(e自警灯(新型)(株式会社トステック))。FMPSは、これを街全体の網へと広げ、VRAIOで取り出しを統治するものです。
平常時は1枚約20kB、動きを検出したときは1枚約100kBの画像を、毎秒数枚記録します。人通りの少ない時間帯は小さな画像だけになるので、記録量は大きく抑えられます。
映像は、事件や行方不明が起きたときにだけ、必要な分を取り出します。
取り出すのは、必要な時間窓の、必要なカメラの画像だけです。通信量が小さく済むと同時に、見た画像を1枚単位で記録できるので、監査も細かく行えます。

図:全地点の連続カバーは不要。カメラのない区間の出入口(特に交差点・分岐点)を押さえれば、時刻で足取りをつなげる。
追跡に必要なのは、すべての地点を途切れなく映すことではありません。カメラのない区間の出入口、特に交差点や分岐点を押さえることです。分岐のない道なら、ある地点で消えた人が別の地点に現れれば、時刻で同一人物とつなげます。
日本の住宅街には、真っ暗な路地はほとんどありません。仮にあっても、人通りが極めて少ない場所です。公園や河川敷のような広い場所に入って出てこない場合は、その場所に捜索範囲が絞られます。途切れは追跡の失敗ではなく、捜索範囲の特定になります。
街路灯の上の端末を、故障のたびにすぐ修理するのは大きな負担です。FMPSは、視野の重なりによって、1割を超える端末が故障していても全体として機能するよう設計します。ソフトウェアは自動で更新し、動作が止まった端末は自動的に再起動させます。最大の技術的課題は、雨風と、特に直射日光・高温への対策です。
画像は端末内で暗号化して保存します。メモリカードを抜き取っても中身は読めません。復号は、VRAIOによって記録される開示手続きを通じてのみ可能とします。カメラの向きの変更、覆い、取り外しは検知し、保守通信で通知します。いずれも、既存の標準的な暗号化・セキュリティ技術で対応でき、新たな技術開発は必要ありません。
カメラからカメラへ足取りをつなぐには、すべての端末の時刻がそろっている必要があります。これは、衛星測位やネットワーク経由の時刻合わせで実現できます。
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FMPS+VRAIO:街路灯による公共安全インフラとAI出力の統治 | 藤井雄作(群馬大学)・NPO法人 e自警ネットワーク研究会
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