第8章
二つの研究を合わせると、次のパンデミックに向けた社会基盤は三つの段階で描けます。
| 段階 | 内容 | 本研究の要素 |
|---|---|---|
| Govern(統治する) | 情報の利用とAIの出力を、社会が定めたルールのもとで検証可能に統治する | VRAIO(7章) |
| Measure(測る) | その信頼の上で、感染と曝露を高い解像度で測り、理解する | スマートフォン・ウェアラブル、PAPRの装着・呼吸計測(4章・5章) |
| Protect(守る) | その理解をもとに、必要な場所・時・人に防護と介入を届ける | PAPR for Everyone(1章・6章) |
社会全体に一律の制限をかけるのではなく、感染リスクをより精密に把握し、防護の資源と介入を最も価値の高いところに集中させる。高解像度の疫学(high-resolution epidemiology)と精密な介入(precision intervention)への道です。
これはまだ完成した社会システムではありません。しかし、個人の呼吸域を守る技術、スマートフォンやウェアラブルによる計測、能力を増すAI、情報利用を検証可能に統治するプライバシー基盤と、その部品は揃い始めています。これらを組み合わせられれば、次のパンデミックに向けた大規模な社会基盤の入り口に立てます。
医学・公衆衛生の研究者、自治体、メーカー、出資者・協力機関の方からのご連絡をお待ちしています(10章)。
← 前へ:7. 計測の失敗とプライバシー基盤 | 次へ:9. 論文・特許・研究費 →
Measures for the Next Pandemic:社会を止めずに感染を抑える工学と社会基盤|藤井雄作(群馬大学)
研究段階の内容です。数値はモデル計算または試作機での測定値です。