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第4章

呼吸と漏れを測る

一般市民向けPAPRは、ただ空気を送るだけでなく、正しく装着されているか、漏れていないかを装置自身が知る必要があります。高価な流量計を使わず、差圧センサとポンプの制御信号だけでそれを推定する技術を開発しました。

呼吸状態の推定と圧力制御

Estimation of Respiratory States Based on a Measurement Model of Airflow Characteristics in PAPR Using Differential Pressure and PWM Control Signals: In the Development of a Public-Oriented PAPR as an Alternative to Lockdown Measures
Y. Fujii, A. Takita, S. Hashimoto, K. Amagai — Sensors, Vol.25, No.9, 2939, 2025.
https://doi.org/10.3390/s25092939

位置づけ: 呼吸状態推定

低価格PAPRの給気ユニット(不織布/HEPAフィルター+ポンプ)と排気フィルターの流量特性をモデル化し、差圧とPWM制御信号から呼吸の状態を推定しました。模擬呼吸装置(手動ピストン)を使って検証しています。

  • 給気流量:差圧とPWMのデューティ値の関数としてモデル化。排気流量:差圧の関数。呼吸流量は両者の差として推定。
  • 圧力制御の効果:デューティ値を調整する制御により、差圧の標準偏差が 9.0 Pa から 4.9 Pa に(約45%低減)。呼吸と差圧変動の相関(R²)は 0.86 から 0.22 に下がりました。
  • 快適性に向けて:呼気時に減圧し吸気時に加圧する圧力制御の考え方を示しました。

使用部品:差圧センサ Sensirion SDP810、マイコン ESP32。

1個の差圧センサで、流量と漏れをリアルタイムに

The Real-Time Estimation of Respiratory Flow and Mask Leakage in a PAPR Using a Single Differential-Pressure Sensor and Microcontroller-Based Smartphone Interface in the Development of a Public-Oriented Powered Air-Purifying Respirator as an Alternative to Lockdown Measures
Y. Fujii — Sensors, Vol.25, No.17, 5340, 2025.
https://doi.org/10.3390/s25175340

位置づけ: 呼吸流量・漏れのリアルタイム推定

差圧センサ1個とマイコンだけで呼吸流量を推定し、マスクの漏れを検出して、結果をスマートフォンに表示します。

  • 入力は2つだけ:差圧と電池電圧。マイコンは Arduino UNO R4 WiFi。
  • 精度:基準流量計との比較で R² = 0.952、平均絶対誤差 15.9 L/min。
  • 漏れ検出:わざと隙間を作った試験で約 4.6 L/min(給気量の約1.9%)の漏れを推定し、アプリの表示が「漏れなし」から「漏れあり」に変わりました。
  • スマートフォン連携:Bluetooth Low Energy で Android アプリに送信。白=非装着、青=漏れなし、赤=漏れあり。
  • 試作機:質量約656 g、連続動作約5時間20分。

検証はマネキンと手動の模擬呼吸装置によるもので、人を対象とした試験はこれからです。判定のしきい値は暫定値です。


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Measures for the Next Pandemic:社会を止めずに感染を抑える工学と社会基盤|藤井雄作(群馬大学)
研究段階の内容です。数値はモデル計算または試作機での測定値です。