Toward the world without lockdown English version

ロックダウンの要らない世界を目指して!

by NPO e-JIKEI Network Promotion Institute / NPO e自警ネットワーク研究会

 

量産化を目指し,共同開発企業を募集しています!

ご興味をお持ち頂いた企業様は,お気軽に,ご連絡ください.

 

【ニュース】

科研費・国際共同研究強化(B)を受け,新型コロナウイルス感染症から世界を救うための国際研究協力プロジェクトが始まります!

国際研究協力プロジェクト:

低コスト個人用呼吸空気浄化デバイス開発と,フィリピン・セブ市内の病院での運用試験

http://www.e-jikei.org/site/KAKENHI_FosteringJointResearchB_J.htm

 

図1,図2 自由外出マスク(試作4号機)

 

【概要】

空気感染ウイルス(新型コロナウイルスを含む)の侵入,漏洩をほぼ完全(99.97%)に遮蔽でき,既存の技術で製作可能なマスク「自由外出マスク」を提案する.これが開発され,全国民に配布されれば,ロックダウンは不要となる.「自由外出マスク装着者」は,抗体保有者と同様に,マスク装着者がウイルスに感染することもなければ,他者にウイルスを感染させることもない.感染拡大時には,「ロックダウン」の替わりに,「自由外出マスク」を全国民に対して外出時の一斉装着を義務付けるだけで,簡単・確実に感染収束となる.

 

現在,コロナ感染症(COVID-19)により,世界全体が,「新しい生活様式」と「ロックダウン(=外出自粛,営業自粛を含む,行動規制,経済規制)」を併用した対策を取っているが,突然変異を繰り返すコロナウイルス(SARS-CoV2)に対するワクチンの迅速な開発・普及の目途が立たない中,ロックダウン断続状態から脱却する目途は,立っていない.

 

「自由外出マスク」を各国民に一人一台ずつ配布することは,いつでも,簡単・確実に感染を収束させる「決め手」を持つことを意味する.また,最悪な感染拡大状況下でも,「自由外出マスク」を着用さえすれば,外出は自由にできるので,あらゆる業種において,各事業者は,「状況により,自由外出マスク着用義務付けが有り得る」を想定し,対策を用意しておけば,事業の停止をする必要は無くなる.東京オリンピックも,確実に実施することが保証される.

 

自由外出マスクを1億3000万個を製作し,国民一人一人に配布することを日本政府に提言します! 

また,量産化に向けた企業との共同研究を模索しています.

(詳細は,下記の文献(3)(6)をご参照ください.)

 

図3,図4 安心ブース

 

【詳細説明】

世界各国で,COVID-19対策として,ワクチン接種による集団免疫獲得が,追及されている.仮に首尾よく集団免疫が獲得できたとしても,次に出現する変異株に有効である保証はない.現在のような断続的なロックダウン状態から,脱却できない可能性がある.[1][2]ワクチンによる集団免疫達成の他に,現状を変える可能性を持つ,あらゆる対策が真剣に検討されるべきである.私は,日常生活において装着者を飛沫感染・空気感染から確実に守る,個人用呼吸空気浄化デバイスの開発と普及を通して,COVID-19の感染拡大状況に関わらずに,一般市民の自由な外出行動を可能とする社会システムの開発を提案する.

 

[1] Christie Aschwanden , “Five reasons why COVID herd immunity is probably impossible”, Nature 591, 520-522 (2021)

https://doi.org/10.1038/d41586-021-00728-2

 

[2] Ewen Callaway & Heidi Ledford, “How to redesign COVID vaccines so they protect against variants”, Nature 590, 15-16 (2021)

https://doi.org/10.1038/d41586-021-00241-6

 

 

ロックダウンは,感染拡大を食い止めるために,誰が感染者か不明な状況下で,全員一律に対人接触を減らし,感染機会を減らす対策である.COVID-19の感染経路の中で,接触感染,経口感染は,手洗い励行,食品の衛生管理などにより,予防することが比較的に容易である.予防が難しく,主要な感染経路となっているのは,飛沫感染,空気感染である.[3][4] もしも,飛沫,エアロゾルを完全に遮断する個人用デバイスが開発されれば,当該デバイスを使う人は,ロックダウン中でも自由に外出して差し支えないと考えられる.

 

[3] Kimberly A. Prather, Linsey C. Marr, Robert T. Schooley, Melissa A. McDiarmid, Mary E. Wilson, Donald K. Milton, “Airborne transmission of SARS-CoV-2”, Science, Vol. 370, Issue 6514, pp. 303-304

http://doi.org/10.1126/science.abf0521

 

[4] Dyani Lewis , “COVID-19 rarely spreads through surfaces. So why are we still deep cleaning?”, Nature 590, 26-28 (2021).

https://doi.org/10.1038/d41586-021-00251-4

 

飛沫感染,空気感染の原因となる飛沫,エアロゾルを遮蔽するデバイスとして,不織布フィルタがある.フェイスマスクにおいて,遮蔽性能が高いフィルタを使うと,透過抵抗が大きくなり,呼吸がし難くなる.医療現場で広く使われるN95マスクの性能でさえ「0.1μmまでの微粒子を95%遮蔽する」という程度の貧弱なものである.また,フェイスマスクは,顔との間に隙間ができやすいことが大きな問題である.[5]

 

[5] Siddhartha Verma,  Manhar Dhanak and John Frankenfield,“Visualizing the effectiveness of face masks in obstructing respiratory jets”, Physics of Fluids 32, 061708 (2020).

https://doi.org/10.1063/5.0016018

 

ポンプ駆動の個人用呼吸空気清浄デバイスとしては,産業用のデバイス(Powered Air Purifying Respirator (PAPR)Industrial Clean Room)や医療用のデバイス(Powered Air Purifying Respirator (PAPR)Biological Clean Room (BCR))が,既に,製品化されている.しかしながら,現状では,嵩張り高価なものばかりであり,一般市民の標準装備品として適したものは見当たらない.例えば,以下のような必要最低限に絞った仕様により,高性能な個人用呼吸空気清浄デバイス(マスク型)を,部品代合計300ドル程度以下のコストで製作できると考えている.

[a] ヘルメット型とし,首シールで気密を確保する.

[b] 電動ポンプ駆動により,外気を高性能フィルタ(0.1μmまでの微粒子を99.97%遮蔽)を透過させた上で,十分な流量の空気を給気,および,排気する.

[c] ヘルメット内の圧力を,外気圧と同じになるように制御することで,自然な呼吸が可能となる.

以上により,ヘルメット内は気密が保たれ,フィルタで浄化された空気のみが給気・排気される.

 

同様に,上記デバイスのヘルメット部分を,机回り,ベッド回り,航空機の座席回り,などを覆うブースに置き換えたブース型デバイスを製作することも容易にできると考えている.病院,ホテル,一般住宅の個室の空調システムを,ヘルメット型デバイスの給排気メカニズムで置き換えることも容易にできる.

 

自宅外では,このようなマスクを着用するか,ブース内に滞在するようにすれば,自宅外において,ウイルスを取り込むことも,ウイルスを放出することも,ほとんど無くすことができる.すなわち,そのような人々は,ロックダウンが必要とされる時でも,自由に外出して差し支えないことになる.

 

低コストで高性能な個人用呼吸空気浄化デバイス(マスク型,ブース型)を開発し,量産し,普及させることにより,ロックダウンが必要と判断される状況下において,全ての市民は,自宅に籠るか,これらデバイスを活用して外出するか,の選択肢を持てる.

 

このような社会基盤を実現する上での阻害要因として,コストの問題と,不快感の問題がある.コストの問題については,これまでCOVID-19対策として費やされてきた膨大な社会的コストと比べれば僅かであるといえる. 不快感の問題については,小型軽量で快適なもの,デザイン性も良いものを開発することは可能であると考えている.

 

マスク型デバイスに関しては,情報端末機能,飲食のための口元の開閉機能,匂い除去機能などを追加することも可能である.ブース型デバイスには,殺菌装置(紫外線照射装置),温湿度調整装置,組成調整装置(二酸化炭素吸着装置,酸素濃度濃縮装置)などを組み込むことは容易である.

 

この社会システムの目的は,「ロックダウン」が必要な緊急事態において,一般市民に自由に外出できる選択肢を与え,また,企業などに自由に活動できる選択肢を与えることである.「ロックダウン」が不要な平常時には,この社会システムは必要ない.

 

高性能な呼吸空気浄化デバイスが,全国民に行き渡った社会は,いつでも,空気感染する感染症をシャットダウンできる.集団免疫のコンセプトによれば,必ずしも,全国民に100%の使用義務を課す必要はない.例えば,実効再生産数Rt2の状況においては,全市民の感染確率を半分以下にすれば,感染は収束に向かう.この場合,全市民の半数以上に対して,遮蔽率100%のマスク,ブースを常時,使用させるようにすれば,感染は収束に向かう.あるいは,全国民が,感染確率が半分以下になるように,対人接触する時間のうちのある割合でマスク,ブースを使用すれば,感染は収束に向かう.

 

将来,快適性に優れたデバイスが開発・発売され,安価に入手できるようになると,「こうしたデバイスを使い,ウイルス,細菌,花粉,カビ胞子,PM2.5,塵,などが除去された清浄な空気を呼吸したい」という要求を,多くの人が持つようになることも考えられる.多くの人が日常生活において,個人的な呼吸空気浄化デバイスを使う社会は,あらゆる空気感染する感染症に対して耐性の高い社会となると考えられる.

 

COVID-19パンデミックに対する対策の一つとして,他の対策と並んで,ここで提案した「個人用呼吸空気浄化デバイスによる,ロックダウン不要の社会システムの構築」の可能性は,真剣に,そして,緊急に検討する価値があると考えている.

 

参考資料

著者らが開発した個人用呼吸空気清浄デバイス(マスク型[6] and ブース型[7])の試作機の技術仕様は,以下に示されている.高性能なデバイスを低コストで製作可能であることが示されている.

 

[6] Y. Fujii and A. Takita, " Personal respiratory air purification device (helmet-type): Distancing-Free Mask (Prototype No.5)", Journal of Mechanical and Electrical Intelligent System, Vol.4, No.2, pp.1-5, 2021.

http://jmeis.e-jikei.org/ARCHIVES/v04n02/JMEIS_v04n02a001.pdf

 

[7] Y. Fujii and A. Takita, "Personal Respiratory Air Purification Device (Booth-type): Distancing-Free Booth (Prototype No.1)", Journal of Mechanical and Electrical Intelligent System, Vol.4, No.2, pp.6-12, 2021.

http://jmeis.e-jikei.org/ARCHIVES/v04n02/JMEIS_v04n02a002.pdf

 

【「自由外出マスク」試作4号機の概要】

[1] ウイルスを99.97%遮蔽: ポンプによる強制給気により,流れ抵抗が非常に大きな高性能フィルタを挿入できる.ウイルス死滅装置(紫外線照射器,プラズマクラスター発生器など),温湿度調整装置を給気側・排気側に挿入することも可能である.

  → 不織布フィルタ(HEPA H13規格,0.3μmまでの粒子を99.97%吸着)を給気側,排気側に使用.米国労働安全衛生研究所(NIOSH)による微粒子用マスクの規格の最高ランク(N100/R100/P100)である,「0.10.3µmの微粒子を99.97%以上除去できる性能」と同等の性能を有している.

 

[2] 内部を陽圧にキープ: ヘルメット内を,僅かな陽圧に制御することにより,首のシール部からの外気進入を完全遮断でき,ウイルスの侵入はほぼ完全に遮蔽できる.ウイルスの外部漏洩は,首シール部の気密程度に依存する.

 

[3]  十分な流量の確保: 強力なポンプによる給気により,フード内に,常に新鮮な空気の流れを作る.これにより,肺へ余分な負荷を加えることなく,新鮮な空気を呼吸できる.「通常形式マスク」着用時のような息苦しさが無い状態となる.

 

サイズ: 約38cm(幅)×約26cm(奥行)×約29cm(高さ)

重さ: 約664g (0.7kg)  *バッテリー(約180g,約7時間連続駆動)含む 

 

【普及モデルの製造コスト】

「自由マスク」試作4号機と同等品を,1億3000万個製造し,国民一人一人に,非常用装備として配布する際には,1万円/個程度以下で生産できると見込んでいる.

 

【コロナ時代における必要不可欠な社会基盤】

「自由外出マスク」,及び,その周辺システム(乗り物・施設におけるサービス給排気ポートの提供,など)は,コロナ時代における,必要不可欠な社会基盤となると考えている.そして,快適さ,便利さ,機能性,デザインが,世界中の多くの企業による集中的な努力によって、急速かつ大幅に改良・向上されていくと予想している.

 

[References/文献]

(1)       Y. Fujii, A. Takita and S. Hashimoto, "A Helmet Type Mask Distancing-Free Mask: An Engineering Solution that Eliminates the Lockdown", Journal of Mechanical and Electrical Intelligent System, Vol.3, No.3, pp.1-7, 2020.

http://jmeis.e-jikei.org/issue/archives/vol03_no03/F001/Camera_ready_manuscript_JMEIS_F001_535362_final.pdf

 

(2)       藤井雄作,“新型コロナウイルスとの共存に向けて”, 社会安全とプライバシー, Vol.4, No.1, pp.1-5, 2020.

http://jjssp.e-jikei.org/ARCHIVES/vol04no01/JpnJSSP_vol04_no01_p01.pdf

 

(3)       藤井雄作,田北啓洋,橋本誠司,“ウイルスをほぼ完全に遮蔽できるマスクの開発,および,ロックダウンを不要化する社会基盤の提案”, 社会安全とプライバシー, Vol.4, No.1, pp.6-10, 2020.

http://jjssp.e-jikei.org/ARCHIVES/vol04no01/JpnJSSP_vol04_no01_p06.pdf

 

(4)      S. Xu, Y. Cao, S. Hashimoto, Y. Fujii, A. Takita and W. Jiang, Control design applicable to a helmet type full-face mask, Journal of Technology and Social Science, Vol.4, No.3, pp.24-30, 2020.

http://jtss.e-jikei.org/issue/archives/vol04-no03/4-A108/JTSS_A108.pdf

 

(5)       Y. Fujii, A. Takita and S. Hashimoto, "An engineering approach for fighting COVID-19; Pseudo herd immunity through the complete spread of the helmet-type masks", Journal of Mechanical and Electrical Intelligent System, Vol.4, No.1, pp.1-5, 2021.

http://jmeis.e-jikei.org/ARCHIVES/v04n01/JMEIS_v04n01a001.pdf

 

(6)       藤井雄作,田北啓洋,橋本誠司,“軽量一体型「自由外出マスク」〜ロックダウン・外出自粛を不要化する「決め手」〜”, 社会安全とプライバシー, Vol.5, No.1, pp.6-10, 2021.

http://jjssp.e-jikei.org/ARCHIVES/vol05no01/JpnJSSP_vol05_no01_p01.pdf

 

(7)       Y. Fujii and A. Takita, " Personal respiratory air purification device (helmet-type): Distancing-Free Mask (Prototype No.5)", Journal of Mechanical and Electrical Intelligent System, Vol.4, No.2, pp.1-5, 2021.

http://jmeis.e-jikei.org/ARCHIVES/v04n02/JMEIS_v04n02a001.pdf

 

(8) Y. Fujii and A. Takita, " Booth-type of Personal Respiratory Air Purification Device: Distancing-Free Booth (Prototype No.1)", Journal of Mechanical and Electrical Intelligent System, Vol.4, No.2, pp.6-12, 2021.

http://jmeis.e-jikei.org/ARCHIVES/v04n02/JMEIS_v04n02a002.pdf

 

[Patents/特許]

(1)  特願2020-113097,強制吸排気機能付きヘルメット型マスク,出願人:NPO法人e自警ネットワーク研究会,発明者:藤井雄作,橋本誠司,山口誉夫,田北啓洋,出願日:2020630日 (特許請求の範囲:19項)

(2)  特願2020-177304,マスク装着状況・他者との接触状況の管理方法,管理システム,出願人:NPO法人e自警ネットワーク研究会,発明者:藤井雄作,橋本誠司,出願日:20201022日 (特許請求の範囲:24項)

 

Press Release Site (Link) / 自由外出マスクに関するプレス発表資料(リンク)

 

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