武漢ウイルスとの共存に向けて(提言)
(Revised on 2020.05.07,藤井雄作)
ブログ:http://www.e-jikei.org/BLOG_FUJII/Fujii.htm
【要旨】
予防法(ワクチン),治療法の開発を待つ中で,医療崩壊阻止のため,世界中がロックダウン断続状態に陥り,世界恐慌以上の経済悪化が懸念されている.
ロックダウンにより,社会に対して莫大なダメージを与えつつも,医療崩壊を阻止しつつ,「“対策”を取る時間稼ぎをしている」という,明確な認識を持つ必要がある.後述のように,医療崩壊さえしなければ,現在の日本の現状が示すように,小さな死亡率で済む可能性が高いと考えられる.
この莫大な犠牲を伴う「時間稼ぎ」により得ている,「貴重な時間」を有効活用し,ロックダウンが必要ない状態(=集団免疫が獲得された状態)を,可及的速やかに実現するべく,国家の総力を挙げて取り組むべきだと考える.
「ロックダウンを耐えきり,新規感染者数が減少すれば,元の生活に戻れる」というのは,ウイルスと(その宿主たる)多数の未感染者が残っている間は,「幻想」であることを明確に認識する必要があると思う.
「新規感染者数の削減」,「医療崩壊の阻止」を主たる目的としてロックダウンをしている限りは,結局は,「十分な数の人々が感染&治癒を経て免疫を獲得」するまでは,以下のようなサイクルを延々と繰り返することになる.
「ロックダウン」→「新規感染者数減少・医療崩壊回避」→「ロックダウン解除」→「多くの未感染者が残っているため,再び,感染爆発・医療崩壊危機」→「再び,ロックダウン」
このように,集団免疫獲得まではロックダウン断続状態から脱却できそうもない以上,「集団免疫の早急獲得」を明確な目的として掲げた方が,社会に対するダメージを小さくできる可能性が高いと考えられる.
ロックダウン断続状態からの早期脱却の方策として,「感染拡大の慎重なコントロールによる,集団免疫の早期獲得」を明確な目標として掲げることを提案する.具体的には,以下のような明確な指針のもとに,各種の施策を行うことを提案する.
【指針1】 感染拡大のコントロールにより,集団免疫率を増大させる.
→ 現状把握のため,「検査」は最大限の努力で拡大していく.
→ 重症化懸念が小さい人々には,積極的に感染&治癒し,免疫を獲得してもらう.
→ 医療崩壊手前のところまでの感染拡大を許容し,免疫獲得者を効率的に増やしていく.
【指針2】 重症化しやすい未感染者の隔離保護を図る.
→入院患者,高齢者,基礎疾患保有者など,免疫力の弱い未感染者を,確実に隔離保護する.
【指針3】 医療キャパシティの拡充を図る.
→医療スタッフ拡充,専用病棟建設,医療器材・物資増産,などを図る.
【指針4】 ウイルス感染に対して強靭な社会様態への変革を図る.
→ 公衆衛生の向上,在宅勤務・在宅学習の普及などにより,ウイルス感染拡大がし難い社会様態に変革していく.
→ 「集団免疫獲得に必要な集団免疫率」の低減を図る.
【指針5】 予防法,治療法,検査法の開発体制の拡充を図る.
→今後のウイルスの突然変異に対して,迅速な対応が取れるように,開発体制を整えておく.
【指針6】 大規模で迅速な動きを可能にする.
→ 法整備,予算確保などを通して,上記の大規模対策を迅速に実施できる体制を作る.
【「集団免疫獲得に必要な集団免疫率」の低減】
集団免疫獲得に必要な集団免疫率Pcは,基本再生産数R0を用いて,次式で表せる.(用語の定義上,そうなる.)
Pc = 1 – 1/R0
例: R0=2の場合,集団免疫獲得に必要な感染割合Pc=1-1/2=0.5 (50%)となる.R0=1.2であれば,Pc=1-1/1.2=0.17(17%)で済む.
基本再生産数R0は,次式で表せる.
R0=β*k*D
β:一回の接触当たりの感染確率
k:単位時間あたりに一人の人間が集団内で他者と接触する平均回数
D:平均感染期間
すなわち,以下が有効となる.
βの低減: 免疫力UP,マスク着用,手洗い励行,
kの低減: 在宅勤務,在宅学習の導入,3密忌避,社会的距離の確保
βとkが低減された状態の社会様態を作ることにより,R0が低減され,Pcが低減される.
ロックダウン状態は,β,kを極端に低減させた状態であるとも言える.
目指すべき目標の一つは,ロックダウンしなくても,β,kが低減された社会を作ることである.
【用語説明】
ロックダウン: ここで言う「ロックダウン」は,「感染対策として,何らかの外出規制,営業規制,行動規制が,政府から要請・命令される状態」と定義する.現在の日本は,弱いロックダウン下にある.
ロックダウン断続状態: 新規感染発生が抑制され,一方で,社会的負担にも耐えかね,ロックダウンを緩和・解除するも,多くの非感染者が温存されていたため,再び,感染爆発の危惧が高まり,ロックダウンを再開する.このことが繰り返されている状態.
医療崩壊: ここで言う「医療崩壊」は,「患者数の急増により,通常であれば提供することができる医療サービスの質を大幅に落とさざるを得ない状態」と定義する.「病床が足りず,入院できない.」,「酸素吸入器が足りずに,酸素吸入できない.」などが,これに相当する.
集団免疫: ある感染症に対して,集団の大部分が免疫を持つことにより,免疫を持たない人が感染から保護される効果・状態.
集団免疫率:集団の中で,免疫を獲得している人の割合.
基本再生産数R0:感染症に感染した1人の感染者が、誰も免疫を持たない集団に加わったとき、感染期間中に直接感染させる平均人数.定義から,“周りに感染者が殆どいない状態”においては,社会R0=1なら定常状態,R0<1なら収束,R0>1なら拡大,ということになる.R0は,ウイルスの性質だけでなく,当該集団の性質(人種的体質,健康状態,公衆衛生の状態など)にも依存する.公衆衛生を向上させることにより,あらゆるウイルスに対してR0を低減できると考えられる.
実効再生産数Re:感染症に感染した1人の感染者が、(集団免疫率を有する)集団に加わったとき、感染期間中に直接感染させる平均人数.例えば,集団免疫率20%の集団の場合,(接触する人の20%が免疫を持った人となるため,)上記kは実質的に80%となり,Re=0.8R0となる.
武漢ウイルス: 新型コロナウイルス感染症(COVID−19)を引き起こす新型コロナウイルス(SARS‑CoV‑2).ここでは,分かり易さの観点から,また,発生場所「中国・武漢市」を明示したいという気持ちから,この用語を用いる.
【ロックダウン断続状態からの脱却シナリオ】
現在,日本をはじめとして世界各地で,武漢ウイルス感染対策として,ロックダウン断続状態が生じている.ロックダウン断続状態から脱却するには,次の4つのシナリオが考えられる.(なお,季節・気候による自然収束は,暑い気候の地域でも感染拡大が発生していることから,期待できない.)
【A】 国民の大部分が感染&免疫獲得済となり,集団免疫が獲得される.
国民の大部分が感染&治癒済となり,免疫を獲得することで,集団免疫が獲得される.
「慶応大学病院でCOVID-19診断以外の患者をPCR検査したところ6%が陽性(検査日4/13-19)」の記事(4/22)があった.少し乱暴だが,6%を日本の人口に当てはめると760万人のPCR陽性者がいることになる.(感染後でPCR陰性になっている人も含めると,感染者累計数は さらに多くなるだろう.)PCR陽性の国内死亡者数238人(4/19)であるので,感染者(800万人)と比べると,既に死亡した人数は238人と小さな割合である.(PCR検査が殆ど出来ていない状況で,感染拡大が進んでいた可能性がある.そして,その場合,殆どの感染者が,無症状,軽症であったことになる.)医療崩壊を防ぎ,現在の医療レベルをキープできれば,このまま感染拡大が続いても,この小さな割合をキープできる可能性が考えられる.このことをハッキリとさせるためにも,検査の拡充が極めて重要である.
すなわち,医療崩壊ギリギリの線で,感染拡大を(半ば積極的に)推し進め,速やかに集団免疫を獲得するということが,一つの可能性として浮上する.(後で詳述)
【B】 「予防法(ワクチン)」が開発され,予防接種により,集団免疫が獲得される.
「予防法(ワクチン)」が開発されれば,インフルエンザと同様に,非感染者の大部分が予防接種をすることにより,集団免疫が獲得される.
【C】 「効果的な治療薬」が開発さる.
「効果的な治療薬」が開発され,使用可能となり,感染者を簡単に治癒することができるようになれば,感染拡大を恐れる必要は無くなる.
【D】 「簡単・確実な検査法」が開発される.
現在は,「面倒で不確実な検査法」しか存在しない為に,全員一律の行動規制(=ロックダウン)とする以外に手が無いということになってしまっている.
当たり前のことだが,体温計や血圧計のような「簡単・確実な検査法・検査器」があれば,感染者を速やかに検知し,隔離・治療すれば良い.他の人(=非感染者)は外出自粛も,ロックダウンも全く不要になる.「簡単・確実な検査法」が無いばかりに,誰が感染しているか全くわからない暗闇の中に社会全体が置かれることになり,全員一律の対応しか取れないことになっている.検査精度としては,感度(=感染者が陽性と正しく判定される割合)と特異度(=非感染者が陰性と正しく判定される割合)が共に99%程度以上であることが望ましい.
「簡単・確実な検査法」さえあれば,「集団免疫」に頼る必要も,全く無くなる.
【現在の状況】
上記の脱却シナリオのうち,「【B】予防法(ワクチン)」,「【C】治療薬」,「【D】簡単確実な検査法」のいずれかが,開発されれば,問題は解決する.しかし,いずれも,直ぐに開発される目途は立っていない.(最短でも1年以上はかかるという予想もされている.)そうなると,「【A】集団免疫獲得」が唯一の現実的な解決策となる.
しかし,現在の日本におけるロックダウン(=弱いロックダウン,自粛要請が主)では,「新規感染者の提言」,「医療崩壊の阻止」を主目的とし,「集団免疫の早期獲得」は目標としては意識されていないように見える.
「ロックダウンを耐えきり,新規感染者数が減少すれば,元の生活に戻れる」というのは,ウイルスと(その宿主たる)多数の未感染者が残っている間は,「幻想」であることを明確に認識する必要があると思う.「ロックダウンの主たる機能」は,「新規感染者低減,医療崩壊阻止を一時的に実現することによる,有効な対策を取るための時間稼ぎ」であるという認識を明確に持ち,対策実施に全力を挙げる必要があると思う.
「新規感染者数の削減」,「医療崩壊阻止」を主たる目的としてロックダウンをしている限りは,結局は,「十分な数の人々が感染&治癒を経て免疫を獲得」するまでは,以下のようなサイクルを延々と繰り返することになる.
「ロックダウン」→「新規感染者数減少・医療崩壊回避」→「ロックダウン解除」→「多くの未感染者が残っているため,再び,感染爆発・医療崩壊危機」→「再び,ロックダウン」
皮肉にも,ロックダウンを完璧にやればやるほど,未感染者が温存され続け,集団免疫の獲得が一向に進まず,ロックダウンの断続状態から脱却できない.
このように,集団免疫獲得まではロックダウン断続状態から脱却できそうもない以上,「集団免疫の早急獲得」を明確な目的として掲げた方が,社会に対するダメージを小さくできる可能性が高いと考えられる.
ロックダウンにより,(全世界の)社会全体が大変なダメージを刻々と受けている.多くの企業や個人が,経済的な苦境に追い込まれている.また,教育システムも大きなダメージを受け続けている.来年以降に世界的な食料危機・飢餓が発生することも心配されている.従って,ロックダウンを,可及的速やかに解除することできる状態にすることが切実に求められている.
また,来年以降も,突然変異で新種がどんどん出てくる可能性が高いことを考えると,ウイルスに対して強靭な社会(=R0が小さな社会)に変革していくことが求められる.今回の感染対策には間に合わないとしても,予防法(ワクチン)・治療薬・検査法の開発に,人類の総力を結集する価値がある.特に,突然変異した新種に素早く対応できるような開発体制の増強・維持が非常に重要になる.
【日本の取るべき道】
ロックダウンにより,社会に対して莫大なダメージを与えつつも,医療崩壊を阻止しつつ,対策を取る時間稼ぎをしているという,明確な認識を持つ必要があると思う.
この莫大な犠牲を伴う「時間稼ぎ」により得ている,「貴重な時間」を最大限,有効活用する必要があると思う..
現在は,下記について,なりふり構わず「国家の総力」を挙げて取り組むべきだと思う.「やりすぎ」を恐れたり,骨惜しみをしてはならないと思う.
【指針1:集団免疫率UPのための方策】
医療崩壊手前のところまでの感染拡大は許容し,免疫獲得者を速やかに増やしていく.(重症化懸念が小さい人々には,積極的に感染&治癒し,免疫を獲得してもらう.) 医療崩壊手前を狙い,ロックダウンを慎重に弱めていく.
@ 検査の拡充
「現状把握」のためにも,「検査」を最大限の努力で拡充しなければならない.
現状は,どの程度の感染者,未感染者,免疫獲得者がいるのかについて,確実なことは殆ど分からない状況である.
→検査を積極的に行わないことは,わざと目隠しをして,自らを暗闇においているのと同じであると認識すべきた.
A 感染拡大の積極的コントロール
医療崩壊手前ギリギリをキープするように,ロックダウンを可能な限り弱める.
B 感染ボランティア(=ウイルスとの“戦争”に対する“志願兵”)の募集
免疫力が高いと自信がある人(若者など)を対象に,強制感染・隔離療養を行ってもらう.
専用の隔離(娯楽・宿泊・温泉)施設を用意し,強制感染後,治癒後(免疫獲得後)まで,1か月程度の隔離療養を行ってもらう.(多くの人は無症状で済むだろう.)
十分な報酬も出すと良いかもしれない.
→免疫を持った(若い)人が多く屋外にいれば,他者に感染させないだけでなく,感染を妨げる「壁」になってくれる.
【指針2:重症化しやすい未感染者の隔離保護のための方策】
C 未感染者の自宅での隔離避難の支援
(免疫力の弱い)基礎疾患保有者,高齢者が,自宅で隔離避難できるような支援を行う.具体的には,(独居の場合)食料・日常品の宅配サービス,(同居家族が居る場合)同居家族からの隔離用の住居改修工事,などを行う.
→重症化しやすい未感染者を,集団免疫獲得まで隔離保護することにより,より弱いロックダウンで済むことになり,他の人はより自由に行動できるようになる.
D 自宅避難が難しい未感染者用の隔離保護施設の用意
リゾートマンションを買上,また,ホテルを全館借上し,必要な改修工事をすることにより,(免疫力が弱いと自覚がある)未感染者が,(自主的に)隔離避難できる施設を大量に確保する.
E 武漢ウイルス感染以外の入院患者を隔離保護する.
既設病院に武漢ウイルス感染者専用の病棟を用意する.
専用病院を増設する.
→ 武漢ウイルス感染者とそれ以外で,病院・病棟を完全分離し,院内感染のリスクを低減することは重要である.
【指針3: 医療キャパシティ拡充のための方策】
F 病床増設,臨時病院建設
既存病院の病床増設を行う.
全国に野戦病院(=質には目をつぶり,病床数を重視した病院)の建設を行う.
集中治療室,医療機器,医療物品の大増産・備蓄を行う.
G 医師・看護師の報酬アップ & 資格緩和 & 増員
高額手当の追加支給を行う.
非常時には,医学生・獣医・介護士・キャビンアテンダントなども医療行為(の一部)が出来るようにする.
H 軽症者用の隔離治療施設の確保
地方のリゾートマンション買上,ホテル借上などにより,軽症者専用の隔離治療施設を確保する.
家庭での隔離治療を助ける手法の開発・啓蒙,機器・物資の開発・支給も重要である.
→軽症者に,専用隔離治療施設での治療,自宅での療養をしてもらうことで,重症者用の病床をより多く確保できる.
【指針4:ウイルス感染に対して強靭な社会様態への変革のための方策】
社会様態の変革により,あらゆるウイルスに対する社会の基本再生産数R0,(感染拡大期における)実効再生産数Reの低減を図り,それにより,少ない免疫獲得者(回復者)数での集団免疫獲得を実現にする.あらゆるウイルスに対して強靭な社会様態に変革する.
I 検査の大量実施体制の確立
たとえ,現在の不確実で時間のかかる検査法であったとしても,(陽性=即入院などの不具合のある)法律を改正し,誤差評価をしっかりとすれば,検査は光明をもたらすのみである.
検査を抑制すべき正当な理由は一つもない.
感染者が素早く発見・隔離治療される様態の社会では,実効再生産数Reは小さくなる.
J 監視システムの導入
スマホ位置情報,街路カメラシステム,カード利用履歴などを活用した感染者追跡システムの導入は,感染経路の把握,濃厚接触による感染者発見において,極めて有効だろう.
民主主義国家である日本においては,プライバシー保護との両立が最大の課題となる.
K 感染予防対策の周知徹底
手洗い,うがい,マスクの励行,社会的距離の確保,規則正しい生活による(個人)免疫力アップ.
感染拡大時における対策用として,外出時用の空調付き高性能フルフェイスヘルメットの開発も有効かもしれない.(極端に言えば,全員が宇宙服を着て外出すれば,R0=0 が実現できる.)
L 人と人との接触が低減される社会基盤の構築
テレワーク・オンライン教育を推進する.
→ オンライン教育については,生徒への標準器材の無料配布,標準オンライン授業教材の開発,AIを活用した個別指導システムの開発などにより,完全オンラインで小中高大の教育ができるような教育改革を志向する.
電車,バス,タクシー,航空機の客席構造,運航様態を工夫する.
オフィスビル,学校,商業施設,飲食店,娯楽施設などの(空気清浄機能を含む)建物構造・運営形態を工夫する.
【指針5: 予防法,治療法,検査法の開発体制の拡充のための方策】
M 予防法(ワクチン)・治療薬・検査法の開発
上記の脱却シナリオのうち,「【B】予防法(ワクチン)」,「【C】治療薬」,「【D】簡単確実な検査法」のいずれかが,開発されれば,問題は解決する.これらの開発には人類の総力を挙げて取り組むべきである.
ただし,これらは,直ぐに開発できる目途は立っていない.
従って,早期解決のためには,上記「【A】集団免疫の早期獲得」に取り組むべきだと考える.
N 予防法(ワクチン)・治療薬・検査法の開発体制・予算の大増強
今回の感染対策には間に合わないとしても,来年以降も,突然変異で新種がどんどん出てくる可能性が高いことを考えると,予防法(ワクチン)・治療薬・検査法の開発に加えて,開発のための体制・予算の大増強と,それの継続的維持が重要である.
【指針6:大規模で迅速な動きを可能にする方策】
O 法整備
上記のような,様々なことを即時実行できるように法整備を行う.
P 人員確保
警察官,自衛隊の動員を行う.
Q 予算確保
機動的に使える大規模予算を確保する
R セイフティネットの整備・実施
必要十分なセイフティネット(国民への一律給付金,生活保護,など)の整備・実施を行い,ロックダウン状況下での全国民の生存を確実に保証する.
企業への補償・助成については,社会様態の変革の中で縮退・消滅せざるを得ない業種が,広範囲に出ることが予想されることから,存続・延命のための助成よりは,業態変革のための助成に注力すべきように思う.
S 火葬施設(・手順)の拡充
日本においても,海外のように,死者数が急増し,火葬場がパンク状態に陥ることも想定される.
最悪を想定して,準備しておく必要がある.
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